1900*小さな手


あさ☆さんへ

BY サクコ


『違った』

今なら分かるような気がする
あの主人公の気持ちが


あの日 あの海で
ボクが言ったことは本気だった

太陽が沈む前に
夜が来る前に
君とボクの関係が変わらないために
何処かへ行こう


そんなボクの手を握った君は
笑いながらボクの言葉を受けながした
何故そんなことを言うのかと問うことなく


本当はね
恐かったんだ
変わることが…


でも君の手は
不安で冷えてたボクを温めてくれた




あれからボクたちは大人になった
そしてボクは…
あの日のようにまた冷えてしまっていた


あの物語の二人は結局
別々の道を歩んだ
「彼女」は大人に
「彼」は少年のまま


今まさにボクは「彼」で君は「彼女」のようだ
取り残されているのはボクだけ



「あの海に行こう」



そう言ってまたボクの手を握った君

そこにはあの日と変わらない温かさがあった

変わらない君が
そこにいた


ボクはもう
大丈夫


言葉のかわりに
ボクは
その小さな手を


握り返した







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