7月7日(金)僕の七夕


駅に着いたとき笑ってしまった
乗り越した日に降りた駅だったからだ

遠回りしたけど
君が居る場所にたどり着いた


始まる前に彼女を見つけたい
携帯を使えば簡単だけど彦星だって織姫に会うのに携帯なんて使わないだろうし


どこだ?


「これが我が町のプラネタリウムです!」
その瞬間
町の明かりが消え真っ暗に


あ〜なんて運がなんだろう


「うわぁぁ〜」


近くで聴こえた声
君がいた


気付かれないように隣に立つ
そして空を見上げた
いま僕は君と同じ夜空を見上げている


「すごいね…」
自然と君に話しかけていた
僕に気付いた君と目が合う
「やっと会えた」
ただそれだけで嬉しくて

「ごめんね…こんなことして…」

僕は首を振る
「大丈夫
分かってるから」
君が伝えたかったこと
会えないからこそ分かる
君の大切さ
だから…
「ありがとう」

僕の言葉に君が笑った
「私こそありがとう」



「何て書いた?」
隣で短冊に願い事を書く彼女に聞いてみる
「教えない
教えたら叶わなくなるもの」

残念…

「荷物取ってくるから待ってて
絶対見ちゃダメだからね!」

念を押すと彼女は行ってしまった


ふと吊された彼女の短冊が目に入る
見るなと言われると見たくなるんだなこれが
さあ彼女の願い事は?


なんだ…
短冊を見て笑みがこぼれる



見る必要はなかった
考えることは同じ


なんだかんだ言っても
見えないところで僕らは
繋がっているのかもしれない


この『ソラ』のように



君も
気付いてるよね?





モドル