7月7日(金)私の七夕


風が笹の葉に吊された短冊を揺らしていた


日が暮れ屋台に光がともると
町はお祭りムードに

イベント会場への案内アナウンスが入った
会場は長い石段の先にある神社の境内
町で一番見張らしがいい場所だ


境内にはたくさんの人が集まり
中央にはプラネタリウム投影機の模型が置かれている
本物そっくりの力作だ

「それではご覧頂きましょう
これが我が町のプラネタリウムです!」


その声で一瞬にして真っ暗になった
下に広がる町の明かりが一斉に消えたのだ
そして投影機の模型が青い光を放つ

「上をご覧ください」
その言葉にみな天を仰いだ



「うわぁぁ〜」



思わず声が出てしまった
目の前に広がるのは


満天の星空


そのあまりの美しさに興奮していた
この感動を伝えたい


でも…
隣には誰もいない
涙がにじんできた

いつも側に居ると分からないから
あなたの大切さを
だから私は…
織姫になってみたかったんだ



「すごいね…」



その声に振り向くと
あなたがいた


私の視線に気付いて
いつもの笑顔を言った



「やっと会えた」





モドル